七夕飾りを見ると、きれいだなと思う一方で「これって何のために飾るの?」と気になる人も多いはずです。
結論からいうと、七夕飾りは願いごとを天に届けるためのものです。
しかも、それだけではなく、昔の人の「季節のけがれをはらう」「豊かな実りを願う」といった思いも重なっています。
今の七夕では、短冊に願いごとを書くイメージが強いですよね。
でも本来の七夕飾りは、ひとつひとつに意味があり、飾ることで行事そのものを整える役目もありました。
見た目が華やかなだけでなく、ちゃんと理由があるところが面白いところです。
短冊や吹き流しに込められた思い
七夕飾りの中でも、いちばん有名なのが短冊です。
短冊はもともと、字が上手になるようにという願いをこめて使われたともいわれます。
そこから少しずつ意味が広がって、今では「勉強ができるようになりたい」「家族が元気でいられますように」など、いろいろな願いを書くようになりました。
吹き流しは、長くひらひらと垂れ下がる飾りです。これは織り物の糸を表すとされ、機織りの上達を願う意味があるといわれます。
また、風に揺れる姿には、悪いものを遠ざける役目もあると考えられてきました。
短冊が「願いを言葉にするもの」なら、吹き流しは「空気をきれいにするような守り役」と覚えるとわかりやすいです。
折り鶴やくずかご、網飾りは何を表す?
折り鶴は、長生きや健康を願う飾りとして知られています。
鶴は昔からめでたい鳥とされていて、「千年生きる」といわれることもあります。
だから七夕で折り鶴を飾るのは、ただかわいいからではなく、家族の元気や長く続く幸せを願う気持ちがこめられているのです。
くずかごは、七夕飾りを作るときに出た紙くずを入れるための飾りです。
物を大切にする心や、むだを出さない暮らし方を表しているともいわれます。
網飾りは、魚や豊かな収穫を連想させることから、たくさん実ることへの願いにつながります。
どれも「きれいだから飾る」だけでなく、暮らしに根ざした意味があるのがポイントです。
身近なたとえで見ると、七夕飾りは“願いのメッセージボード”
七夕飾りを今の感覚でたとえるなら、学校や家にある「願いごとを貼る掲示板」に少し近いかもしれません。
短冊は一人ひとりのメッセージ、吹き流しは場を整える装飾、折り鶴は健康や平和を願うしるし、というように役割が分かれています。
いろいろな飾りが集まることで、七夕らしい雰囲気が生まれるわけです。
しかも、飾りの種類が多いと「自分は何を願うか」を考えるきっかけにもなります。
たとえば、勉強の願いなら短冊、家族の元気を願うなら折り鶴、行事をにぎやかにしたいなら吹き流し、というふうに選ぶ楽しさもあります。
飾りの意味を知ると、ただのイベントが少し特別に見えてきますよ。
実は短冊の色にも意味があるって知ってた?
七夕には、飾りだけでなく短冊の色にも意味があるという考え方があります。
たとえば、青や緑、赤、黄、白の5色を使うことがあり、これは中国由来の「五行思想(ごぎょうしそう)」と結びつけて説明されることがあります。
五行思想は、自然を5つの要素で考える見方のことです。
ただし、この色分けは地域や時代によって少しずつ違います。なので、「七夕は必ずこの色でないといけない」というより、意味を知ったうえで自由に楽しむくらいに考えるとちょうどいいでしょう。
こうした背景を知ると、短冊を選ぶ時間まで少し楽しくなります。
七夕飾りの意味でよくある勘違い
よくあるのは、「七夕飾りは全部、願いごとを書くだけのもの」と思ってしまうことです。
実際には、飾りごとに役割がちがいます。短冊は願いを書くものですが、吹き流しや折り鶴、網飾りなどは、願いを支えたり、魔除けや豊作への思いを表したりします。
もうひとつの勘違いは、「七夕飾りの意味は昔から今までまったく同じ」と考えることです。
七夕は長い年月のあいだに形を変えてきた行事なので、意味も少しずつ広がっています。
だから、伝統的な説明がいくつかあるときは、諸説ありますと受けとめるのが安心です。
七夕飾りの意味を知ると、行事がもっと楽しくなる
七夕飾りの意味を整理すると、ポイントは3つです。
- 短冊は、願いごとを言葉にして天へ届けるためのもの
- 吹き流しや折り鶴などは、魔除けや健康、豊作などを願う飾り
- 色や形には、地域や時代によってちがう解釈もある
意味を知ってから飾りを見ると、同じ七夕でも少し見え方が変わります。次に七夕飾りを目にしたら、「これは何を表しているんだろう?」と考えてみてください。
きっと、いつもの行事が前よりおもしろく感じられるはずです。